【目的】Bifidobacterium breve B-3(ビースリー)株は、食事誘導性肥満マウスおいて抗メタボリックシンドローム効果を示した。そこで、その機構の解明を試みた。【方法】高脂肪食により肥満を誘導したC57BL/6Jマウスに高脂肪食と脱脂粉乳(対照群)またはB-3株を懸濁した脱脂粉乳(B-3投与群)を添加して8週間摂取させ、試験終了時に肝臓のマイクロアレイ解析および酵素活性を測定した。さらに腸内菌叢の変化と腸管および脂肪組織における遺伝子発現を検討した。【結果と考察】対照群に比較して、B-3投与群では肝臓の脂肪酸化に関わる遺伝子群や酵素活性が有意に上昇し、脂肪組織ではアディポネクチンや脂肪代謝に関わる遺伝子群の発現が上昇した。さらに腸管においてはビフィズス菌が有意に増加し、肥満に関連していると言われるAngptl4/FiafやGLP-1の発現が上昇した。これらの結果から、B-3株によって脂質代謝が改善され、肥満やインスリン抵抗性も改善される可能性が示唆された。
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