オートファジーは、真核生物の細胞質におけるタンパク質・オルガネラの非特異的な分解機構である。オートファジーは、栄養飢餓に対する応答のみならず、細菌感染の防御、抗原提示、癌の抑制などさまざまな生命現象に関わっている。オートファジー活性化物質は、神経変性疾患の治療・予防や、老化抑制、寿命延長への効果が期待されている。
われわれは、キチンの加水分解産物中に強いオートファジー誘導活性を見出した。その最小単位を明らかにするために種々の糖質について活性を調べたところ、グルコサミンに強い誘導活性が見られた。グルコサミンは、トレハロースと同様mTOR非依存的にオートファジーを誘導したが,活性はトレハロースの10倍以上強かった。グルコサミンは、プロテアソーム阻害剤により細胞質に蓄積させたユビキチン化タンパク質や、ポリグルタミン病の原因物質であるポリグルタミンの分解を促進した。
本研究は、イノベーション創出基礎的研究推進事業の支援により行われた。
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