講演番号 3AGp21
分類 一般講演、ポスター発表
講演日時 2010/03/29 17:30
会場 AG
演題 部位特異的変異により作製した低温反応性ウリカーゼ
発表者氏名 ○西矢 芳昭、日ビ 隆雄1
所属 東洋紡、1福井県立大
要旨
[目的] ウリカーゼは尿酸を酸化する酵素であり、尿酸の定量分析に利用できるため、臨床検査薬や血中尿酸測定用センサに用いられる。既に実用化されているBacillus属細菌由来ウリカーゼは熱安定性が高く長期保存にも耐えるが、特にセンサ用途では低温(25〜30℃)における高い反応性も同時に求められる。そこで結晶構造(PDB ID: 1J2G)を基に、部位特異的変異により低温反応性ウリカーゼの作製を試みた。 [方法と結果] 本酵素は4量体であり、活性中心がサブユニット界面に存在する。我々は、サブユニット界面を形成するβストランドの運動性が酵素活性の温度依存性と関連すると考え、インターフェースループおよびその近傍への部位特異的変異導入により、活性中心付近の部分的な運動性の向上と高温でのタンパク質構造の維持が可能となることを期待した。各種変異体を作製し酵素活性および熱安定性を評価した結果、W279L変異体およびその多重変異体は、熱安定性が野生型と同等以上ながら、25〜30℃における酵素活性が野生型に比べ2倍以上上昇した。本検討により、低温反応性が高く、且つ熱安定なウリカーゼを創出し得ることが示された。
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