講演番号 3ALa01
分類 一般講演、ポスター発表
講演日時 2010/03/29 09:00
会場 AL
演題 ヒト甘味受容体発現細胞による甘味阻害剤の検索
発表者氏名 ○今田 隆将、阿部 啓子、三坂 巧
所属 東大院農生科・応生化
要旨
【目的】味覚研究では、一部のナトリウムチャネルを阻害するアミロライドが塩味の抑制剤として用いられる。一方、官能評価において高濃度のアミロライドが多種の甘味物質の甘味を抑制するという報告もある。しかしその詳細な作用機序は不明である。我々はヒト甘味受容体発現細胞を用いて、アミロライドがヒト甘味受容体の阻害剤となり得るかどうかを検討した。 【方法と結果】ヒト甘味受容体hT1R2/hT1R3およびキメラGタンパク質の安定発現細胞株を作製し、甘味物質を投与した際の細胞内カルシウム濃度変化を計測することでヒト甘味受容体の活性化を測定した。アミロライドを3 mM添加すると、多種の甘味物質に対する応答は著しく抑制された。内在性受容体のリガンドであるATPに対する細胞応答はアミロライド添加により抑制されなかったことから、アミロライドはヒト甘味受容体の特異的阻害剤であること、また官能評価における甘味抑制が甘味受容体の阻害によって起こることが強く示唆された。この細胞評価系を用いることで、受容体に作用する甘味阻害剤の検索が簡便に行うことができる。
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