要旨
|
【目的】野菜・果実などに豊富に含まれる抗酸化物質は、健康維持及び疾病予防に寄与することが期待されているが、抗酸化物質必要量は明らかになっていない。本題では、一般的な野菜の抗酸化力を測定し、野菜からの抗酸化物質摂取量について推算した。【方法】平成 20 年家計調査で購入重量が記載されている野菜(23 種、全生鮮野菜購入重量の 85 % をカバー)について、凍結乾燥品を作成、高速溶媒抽出装置を用いて MWA 抽出液を調製し、抗酸化能を H-ORAC 法で測定した。【結果及び考察】個々の野菜では、ごぼう、れんこん、なすに高い活性が認められた。それぞれの摂取量を加味すると、たまねぎ、ごぼう、ばれいしょからの抗酸化物質摂取が多いと推測された。一般的な野菜摂取状況に基づいた「モデル野菜」を想定すると、その抗酸化能は 594 μmol Trolox equivalent (TE)/100 g であり、健康日本 21 における野菜の一日摂取目標値である 350 g を摂取すると、約 2,000 μmol TE の抗酸化物質を摂取可能だと推算される。
|