【目的】近年、産業廃水に含まれる油脂等による環境汚染が問題となっており、これら汚染物質の処理が望まれている。これにおける有効な手法として、微生物機能を活用する方法が注目を集めており、省エネかつ低コストで迅速な浄化を可能とすることが期待されている。本研究では油脂分解能力の高い微生物を探索し、微生物製剤として利用することを目的とした。
【方法と結果】市販の食用油を単一炭素源とした培地を用いて、食用油を資化できる微生物を土壌から単離収集した。これらの微生物の休止菌体を触媒として、食用油を基質とする反応を行った。反応液を薄層クロマトグラフィーを用いて解析することによりこれらの微生物の油脂分解能力を調べた。その結果、高い油脂分解活性を有する微生物を5株選抜した。これら5株の培地組成の検討を行った結果、高い油脂分解を示す活性微生物を安価に効率よく大量培養することに成功した。
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