【目的】Enterococcus faecium NKR-5-3は5つのバクテリオシン様ペプチドを生産する。その一つである推定環状バクテリオシン、ペプチドBは高い安定性と幅広い抗菌スペクトルをもつが、その構造は明らかになっていない。そこで本研究では、ペプチドBの構造決定を目的として、そのアミノ酸配列及びペプチドBをコードする遺伝子の解析を行った。
【方法・結果】核磁気共鳴や質量分析等によってペプチドBは63アミノ酸残基から成る、E. faecium由来としては初の新奇環状バクテリオシンであることが明らかとなった。得られた配列をもとにしたdegenerate primerを用いて、NKR-5-3株のゲノムライブラリーからのスクリーニングおよびシーケンス解析を行い、その結果、Clostridium beijerinckii ATCC 25752が生産するcircularin Aと41%の相同性を示すペプチドB構造遺伝子の塩基配列を決定した。現在、ペプチドB構造遺伝子周辺の塩基配列の決定及び環化・分泌に関わる遺伝子の特定を試みている。
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