【目的】海藻類に含まれる多糖類はアルギン酸やフコイダンなど、そのごく一部の構成成分から工業製品や医療品等、産業界において幅広く利用されており、有用資源の宝庫である。しかしながら地球環境に多様に存在する海藻多糖類は、その効能について評価されていないものも多数存在し、手つかずのまま取り残されているのが現状である。そこで本研究では、これら未利用資源の発掘およびその有効活用を目的として、海藻多糖類のプロファイリング技術の構築を行った。
【方法】NMRおよびFT-IRを用いて海藻類における構成多糖類を解析するとともに、ICP-OESを用いて構成元素組成を解析した。得られた各データは数値マトリクス化し、多変量解析により評価した。
【結果】構成元素のイオノーム解析データおよび構成多糖類のメタボローム解析データからイオノーム−メタボローム相関解析により、多糖類構成に基づいて蓄積される金属元素が大きく異なることを明らかにした。また、本解析法を用いることで、多様な海藻多糖類のプロファイリングが可能であることを見出した。
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