【背景•目的】我々は酵母の冷凍ストレス応答においてTORC1(target of rapamycin complex 1)の機能欠陥、あるいはPI3キナーゼVps34の欠損が冷凍耐性を賦与することを報告している(2010年度日本分子生物学会•生化学会合同大会)。両者が機能欠損によって冷凍耐性獲得という共通の表現型を示すことからTORC1の機能に対するVps34の関与に注目した。
【方法•結果】vps34Δ株におけるTORC1の活性をTORC1の直接の基質であるSch9のリン酸化レベルを指標にして検討した結果、vps34Δ株ではSch9は脱リン酸化されていた。同様の結果は、Vps34阻害剤のウォルトマンニン処理によっても認識された。次に、ラパマイシン処理により発現が低下する遺伝子のうち、VPS33に着目した。vps33Δ株は高い冷凍耐性を示し、さらにSch9は脱リン酸化されていた。現在、Vps34やVps33がTORC1の機能にどのように影響しているか解析を進めている。
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