講演番号 3C34a03
分類 一般講演、ポスター発表
講演日時 2011/03/27 09:24
会場 C34
演題 Single-molecule analysis of ABCA1 at early stages of HDL generation
HDL産生初期段階におけるABCA1の1分子解析
発表者氏名 ○永田 紅1、中田 千枝子1,2、楠見 明弘1,2、植田 和光1,3
所属 1京大・iCeMS、2京大・再生研、3京大・院農
要旨
ABCA1は、高密度リポタンパク質(HDL、善玉コレステロール)産生に必須な膜タンパク質である。ABCA1はATP加水分解依存的にコレステロールをアポリポタンパク質A-I(apoA-I)に供給することでHDL産生の初期段階を担うが、その機構には不明な点が多い。本研究では、apoA-IとABCA1の相互作用およびapoA-IによるABCA1の挙動変化を、1分子可視化により調べた。蛍光標識したABCA1をHeLa細胞の細胞膜に発現させ、1分子蛍光観察した結果、以下が明らかになった。1) apoA-I非存在下では、野生型分子は約7割が静止し、3割が拡散運動をするが、 ATP加水分解活性をもたない変異型分子は約2割が静止し、8割が拡散運動をする; 2) 培地への apoA-I 添加後、野生型分子の易動性が上昇し、10-15分で変異型分子と同様の運動性を示すようになる; 3) 蛍光標識したapoA-I分子は野生型分子と共局在する。すなわち、apoA-I非存在下では、コレステロールやアクチン細胞骨格の関わる何らかの機構がABCA1分子の運動性を抑制しており、apoA-I添加後のHDL産生の初期段階では、その抑制が解除されることが示唆された。
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